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栃木県の最北端に位置する那須町の芦野地区。ここで今、地域おこし協力隊を中心とした「あしのおと」という団体が、地域の魅力を再発見し、人と人をつなぐ素晴らしい活動を展開しています。今回は、この「あしのおと」の取り組みと、彼らの活動拠点である芦野地区の魅力について詳しくご紹介します。
「あしのおと」とは?~地域をつなぐ想いから生まれたプロジェクト~
「あしのおと」は、「芦野でつながる」をミッションとして掲げ、那須町地域おこし協力隊の3人を中心に活動する地域活性化団体です。「芦野」と「音」、「記し」を合わせた名前には、この土地の魅力を多くの人に伝え、記憶に残る活動をしたいという想いが込められています。

活動拠点は、芦野地区にある空き家を活用した施設「曲輪(くるわ)」。ここを中心に、町外から訪れる人々と地元住民が出会い、新たなつながりや交流が生まれる場を創出しています。一度きりの出会いではなく、継続的に交流できる関係性を大切にしているのが特徴です。
主な活動内容
1. 竹林・里山整備で育まれる交流
「あしのおと」の活動の柱となっているのが竹林・里山整備です。まずは拠点である曲輪周辺の竹林整備から始まり、この作業を通じて地元住民と参加者が自然な形で交流を深めています。

作業は決してハードなものではなく、年齢や体力に関係なく誰でも参加できるよう配慮されています。整備された竹を無駄にしないよう、竹とうろうワークショップなどの材料として活用するなど、循環型の取り組みも特徴的です。
2. 地域資源を活かしたイベント・ワークショップ
芦野コメ市~田園風景の中で味わう地元の恵み~
2024年に初開催された「芦野コメ市」は、芦野の特産であるお米をPRする画期的なイベントです。毎年11月頃に開催予定で、美しい田園風景の中で、炊きたてごはんや地元野菜をたっぷり使った豚汁の提供、もちつきやスタンプラリーなどが行われます。

このイベントは単なる農産物の販売会ではなく、芦野の美しい自然環境と豊かな農業文化を体感できる貴重な機会となっています。
竹とうろうワークショップ~循環型活動の象徴~
竹林整備で出た芦野の竹を活用した竹とうろうワークショップも人気の活動です。「ご高齢の方でも安心して参加できる」と好評で、世代を超えた交流の場となっています。

現在は出張ワークショップも受け付けており、芦野の魅力を町外にも広めています。
3. 情報発信~芦野の魅力を広く伝える~
「あしのおと」では、Instagram(@ashinote_ashino)と公式LINE(@ashinote)を通じて積極的な情報発信を行っています。活動の様子だけでなく、芦野の四季の美しさや地域の歴史、文化なども紹介し、芦野ファンの拡大に努めています。

芦野地区の魅力~歴史と自然が織りなす美しい里山~
地理・人口・産業
芦野地区は栃木県那須町の一部で、面積約13.1平方キロメートル、人口約867人、世帯数319世帯(国勢調査データ)の小さな集落です。那須町全体の面積は372.34平方キロメートル、人口約24,000人という規模の中で、芦野地区は重要な役割を担っています。
歴史的背景~奥州街道の宿場町として栄えた過去~
芦野の歴史は古く、鎌倉時代より芦野家が治める地として知られていました。那須地方を領した那須家の一族である芦野家は、那須資忠の四男資方が当地に配され、地名に因んで芦野氏を称したのが始まりとされています。
江戸時代には、五街道の一つである奥州街道の宿場町として大いに栄えました。関東最北の宿場である芦野宿は、交代寄合旗本芦野氏の城下町としても発展し、最盛期には本陣と脇本陣が各1軒、旅籠は25軒から40軒近くまであったとされ、奥州20余藩の参勤交代の往来で賑わいました。
宿場の北と南の入り口にはそれぞれ地蔵尊が設置され、享保年間(1716〜1736年)に作られたこれらのお地蔵さんが、町なかに災いが訪れぬよう見守ってきたという言い伝えも残っています。
現在の産業~米作りを中心とした農業~
現在の芦野地区は、米を主体とした農業が中心産業となっています。美しい田園風景が広がる地域で、良質な米の生産が行われており、「芦野コメ市」で紹介されるように、地域の誇りとなっています。
また、八溝材のブランド化や芦野石、林産物など地場産品の加工にも取り組んでおり、農林業の持続的な発展を目指しています。那須町では「どぶろく特区推進プロジェクト」も展開されており、JAなすの芦野地区生産組合を中心に、米を活用した地域活性化にも力を入れています。
自然環境と観光資源
芦野地区は里山の美しい自然環境に恵まれています。竹林や森林が豊かで、四季折々の景色が楽しめる地域です。奥州街道の歴史的な街並みも一部に残されており、歩いて巡ることができる貴重な文化資源となっています。
また、芦野聖天(日本三所芦野聖天)という歴史ある寺院もあり、寛政年間には白河城主松平定信公が「寛政の改革」の成功を祈願したという逸話も残されています。
未来への展望~持続可能な地域づくりを目指して~
「あしのおと」の活動は、単なる一時的なイベント開催にとどまりません。彼らが目指しているのは、芦野の美しい風景や温かい人々、豊かな食文化や歴史・文化に触れることで、多くの人に芦野を好きになってもらい、継続的な関係を築くことです。
今後は農業体験や狩猟体験など、芦野でしかできない体験プログラムの企画も予定されており、都市部からの交流人口増加や関係人口の創出に大きく貢献することが期待されています。
空き家利活用、インバウンド・観光促進、鳥獣害対策など、それぞれの専門分野を持つメンバーが連携し、多角的なアプローチで地域課題に取り組む姿勢も注目に値します。
参加・協力のお誘い
「あしのおと」では、一緒に活動するメンバーを随時募集しています。イベントの企画や運営サポート、里山整備への参加など、様々な形で芦野地区の活性化に貢献できます。
連絡先情報
- 活動拠点: 那須町大字芦野2858-1 曲輪(くるわ)
- E-mail: ashinote.ashino@gmail.com
- Instagram: @ashinote_ashino
- 公式LINE: @ashinote
まとめ
「あしのおと」の活動は、過疎化や高齢化という地方共通の課題に対する一つの解答を示しています。歴史ある宿場町の魅力を現代に蘇らせ、新しい人のつながりを創出することで、持続可能な地域づくりを実現しようとする彼らの取り組みは、他の地域にとっても大いに参考になるモデルケースと言えるでしょう。
美しい里山の風景、豊かな歴史と文化、そして温かい人々が織りなす芦野地区の魅力を、「あしのおと」の活動を通じて多くの人に知っていただければと思います。那須BASEでも、このような地域に根ざした活動を今後も積極的に応援し、紹介していきたいと考えています。

