コロナ禍で、インバウンド需要は途絶えてしまいましたが、一方、アウトドアブームもあり、郊外地域での民泊や貸別荘は賑わいを見せている場合もあるようです。
そして、それに合わせて、自分の別荘を民泊等として貸出してみたいといった相談をお受けすることがあります。
勿論、別荘を民泊として貸し出す場合には、色々な規制をクリアしなければいけませんが、案外、見落とされがちなのが消防関係です。

〇コロナ禍でも民泊等への需要が減らない訳は?

 コロナ禍は、観光業全般に大きなダメージを与えました。
特に、海外から来る方、インバウンド需要が皆無になり、そのような需要をあてにした業種は、壊滅的な打撃を受けましたが、その1つが民泊です。
ただ、このような今回のコロナ禍で打撃を受けた民泊とは、主に都心にあるもので、海外から来られた方が、観光やショッピング等の拠点として使われていたものです。

一方、同じ民泊といった施設でも、郊外にあるものについては、コロナ禍でのアウトドアブームやテレワークの普及もあり、問い合わせ等が増えています。
ちょうど、キャンプがブームになっているのと同じと言えるでしょう。

〇自分の別荘を民泊等にするためには?

 そこで、使っていない自分の別荘を民泊等として利用しようとする方が多くなってきました。
勿論、普通の住宅である別荘を民泊へ転用するには、関係する法令の基準を満たす必要があり、必要な許認可を取った上での営業となります。
例えば、旅館業法や建築基準法といったものがそれに当たりますが、忘れてはいけないのが、消防法です。
不特定多数の人が利用する施設の場合は、普通の住宅と違う対策が必要となってきます。

〇民泊等にする場合の消防法の決まりは?

 自分の別荘を民泊にする場合、色々な法律の規制を受けることになりますが、その1つが消防法で、消防法の基準に合致しているという証である「消防法令適合通知書」を取得する必要があります。
その為には申請書を提出し、必要な消防設備を設置した上で、立入検査に合格することが必要です。
宿泊施設に設置する必要がある消防設備は、面積や構造、階数、収容人数等によりますが、別荘を民泊にしようとする場合は、次のようなものが必要となることが多いようです。

特定小規模施設用自動火災報知設備

配線工事がいらないもので、自分でも設置、申請が可能なものです。

誘導灯及び誘導標識

各階の最終出入口に1台ずつ必要となり、図面を基に所轄の消防と相談しながら決めていく必要があります。

消火器具

延べ面積が150㎡以上で必要となってきますが、無窓階と判定された場合、50㎡以上で必要とされます。消火器については、ホームセンター等でも購入が可能です。

そして、これらの設備を設置する費用ですが、別荘を民泊に転用する場合、上記3つで、2階建ての建物の場合で30万前後、平屋の場合で20万ぐらいとなっています。

一方、延べ面積が300㎡以上や3階建ての場合等は費用が嵩んできますから、早めに所轄の消防署と協議を行い、内容、価格を把握する必要があります。

コロナ禍でも、別荘を利用した民泊等への需要は増えています。別荘は使わない期間が長ければ長い程、管理上の問題も出てきますし、別荘を所有することに割高感が出てきますが、民泊として貸し出すことが出来れば、それらが薄れてきます。
その場合、法律、特に命に関わる消防法の規定はしっかりと守る必要があります。
那須BASEでは、地元の消防署等との協議といったことも、忙しい皆さんの代わりに行わさせていただきます。

よりよい別荘ライフを送るためにも、那須BASEに色々な相談をください。
全て、親身になって、お応えさせていただきます。